「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」とマリー・アントワネットがフランス革命前に言ったということ
ジャン=ジャック・ルソーが彼の著書「告白」に書いたというのだが, 彼はマリー・アントワネットが言ったとは書いていない。 a great princess (ある偉大な王女)と書いてある。 (しかもケーキとも書いていない。brioches である。) そしてこの本が書かれたのは マリー・アントワネットが 9 歳の時で彼女はフランスに行ったこともない時である。 なので民衆にそう言ったというのはあまり信憑性がない。 彼女はまた,フランスの飢えている市民を助けるためにフランスにルイ16世とともにジャガイモを導入した人物でもある。 身分制度自体今から言えばひどいものなので, それは別に議論すべきだと思うし, 良い王や女王がいたからといって身分制度を肯定するつもりは私にはない。 ただ,これが濡れ衣らしいことは注意しておきたい。どうして私がこれに騙されたかについての想像: たぶん,彼女が処刑された後に革命の人達は彼女を処刑した理由を必要としただろう。 その justification としてこの話はわかりやすいので,私もそのわかりやすさについ納得したのだろうと思う。
qwerty キーボードは機械式のジャムを避けるためにわざわざ遅くしかタイプできないように設計された。
このキーボードレイアウトは 実はタイプの速度を上げるために設計された。たとえば,'t' と 'h' という 英語ではよくある組み合わせはちゃんと左手側と右手側に分けられている。'q' と 'u' なども同じである。どうして私がこれに騙されたかについての想像: qwerty はちょっと考えると不思議な配置であり,この話が本当だとなんとなく納得する。 しかも理由がゆっくにするためというのは逆説的でとても興味深い。 また他のレイアウトももあり,そのレイアウト側のプロパガンダかもしれない。 しかし話としてとても面白いので単純に信じてしまったのだろう。
アインシュタインが,「狂気とは,同じことを繰り返し行い,違う結果を期待することである」,と言った。 (Insanity is doing the same thing over and over again and expecting different results.)
どうして私がこれに騙されたかについての想像: これは科学者が言いそうなことです。 そうするとアインシュタインが言ったというのはとても簡単に納得できるからだと思います。 アインシュタインが言ったということのほとんどを調べると, アインシュタインが言ったということが確認できないものや, 他の人が言ったことというものがかなりあります。
レミングスは数が増えるぎると他のレミングスを助けるために多くが入水自殺をする
これは残念ながらディズニーの映画で捏造したものです。その映画は White Wilderness と言います。どうして私がこれに騙されたかについての想像: まずレミングスという面白いゲームがあります。 このゲームを私は好きで夢中でプレイした記憶があります。 また,レミングスのこの習性で,動物ってすごいなと思ったのです。 これが本当なら,1. レミングスはどれだけ増えたかをわかる(数を数えられる?) (バッタはその集団の密度で性質を全部変えて移動するなどするので, 数える能力はいらないが,全体ではなく一部だけ量で移動するとなると 高度な能力が必要になると予想される) 2. レミングスは誰が死ぬべきか誰が生きのこるべきかを判断しているらしい。 これは人間では全体主義的な考えで動物にできるとは思えなかった。 しかし,この映画は捏造でした。レミングスは数を数えることも,全体主義も理解できないようです。 崖からのジャンプのシーンはカメラの後ろから人間が追いつめているそうです。 そしてレミングスは泳げます。泳いで島に餌を探しに行くこともあるということでした。 確かにこのフィルムには死体が見えませんでしたが, それは教育番組として不適切とかで見せなかったのかと考えていました。
「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」とボルテールが言った。
ボルテールのこの項 これは Evelyn Beatrice Hall の言葉であるらしい。どうして私がこれに騙されたかについての想像: これはボルテールの主張してきた人権 (Freedom of speech) を短く言ったもので とても印象的である。なので後世の人がこう言ったことをボルテールの言葉にしてもしっくりくる。 それで私もそう信じてしまったのだと思う。
じゃがいもはヨーロッパに入った時に教会に破門され火あぶりの刑になったという話
日本語以外の文献がどうしてもみあたらない。 (英語のみではなく,ドイツ語, ロシア語などのネイティブと協力してもみつからない) 日本語のものはほとんどがブログで内容はほぼ同じ。
どうして私がこれに騙されたかについての想像: 私はこの話をモンドさんの Historicaで知り,モンドさんに参考文献を尋ねたら, とても快く 世界史を大きく動かした植物,稲垣 栄洋を紹介して頂きました。 この話は日本語ではブログでいくつもコピーペーストされているかなり有名なものです。 この本の参考文献もネット上に情報があるものはあたってみたのですがやはりみつかりません。 ただ,購入しないといけないものまで網羅して調べてはいません。 この本の著者の方に問合せを送ってみましたが, 返事は得られていません。 (2023-06-07)。まあ,かなりのベストセラーのようなので, 読者からの質問に毎回答えることはできないのだと思います。 現時点では裏がとれない話で,引き続き何かの機会に探してみようと思います。
板垣退助が暴漢に襲われた時に「板垣死すとも自由は死せず」と言ったという話
これについては Wiki がありました。
彼が言ったことが変化したか,お付きの人が言ったという話がある。
板垣は政治的に危険視されていたこともあり,
特殊警察がついて彼の動向などを監視していたようですが,
事件の様子も記録されています。その記録にはこの言葉はないということです。
また,警察が来て犯人を取り抑えた後に言った言葉という警察の記録がありますが,
それは上記の言葉とは少し違います。
確実にこれがでてきたのは,党の新聞の速報で,これはまあ,
宣伝目的が入っている可能性が高いようです。
しかしその後,この言葉は自由を重視するという姿勢を
示したい政治家などによってよく言われて定着しているようである。
どうして私がこれに騙されたかについての想像:
この話はとてもドラマティックで印象に残るいい話です。
自由を重要視する場合には襲撃中でもこういう人がいたんだということは
励みになります。そこで自由を重視する人達には簡潔なよいスローガンになります。
私もそう思って特に確認をしていませんでした。